婚外恋愛は「自分の体を知るため」|「性の研究相手」も──美月さん(36歳)のカタチ

[連載]婚外恋愛、それぞれのカタチ
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2020年の日本家族計画協会の調査(※)によると、「浮気・不倫経験がある」と答えた男性は67.9%、女性が46.3%。2017年の調査結果、男性37.0%、女性24.4%から大きく増加している(同調査では性風俗の利用も浮気・不倫に含めている)。
なぜ、彼(女)たちはパートナー以外と関係を持つのか。関係はどう始まり、どう終わるのか。さまざまな背景を持つ「婚外恋愛の経験者」たちに、その実態を聞いていく。
今回は、夫とのセックスレスをきっかけに「もっと自分の体のことを知りたい」と婚外恋愛を始めた、美月さん(36歳・女性)に話を聞いた。

コロナと夫の仕事の手伝いで、
異性と話す機会が激減
2018年、29歳の美月さんはマッチングアプリを通じて12歳年上の男性と出会い、交際を開始。遠距離恋愛を経て結婚したと話す。
「『性のことは大事にしたい』と話していたはずなのに、結婚当初からセックスレスでした。今までで合計10回もしていないんじゃないかな。ひと回り上ということもあり、『男性は女性に恥をかかせてはいけない』と思い込んでしまい、それがプレッシャーになっていたようです」
夫との関係に悩みながらも、仲は悪くなかったため、そのまま夫婦生活を続けていたが……。
「コロナ禍での生活や、会社員をやめて夫の仕事を手伝ううちに、生きる力が湧かないことに気がつきました。今まで長く続いた仕事は、男性がいっぱいいる職場だったんです。男女ならではの会話って、反応が得られて嬉しかったり、少しドキドキしたり、心の躍動感がありますますよね。
でも今の私には、夫か女性スタッフとしか話す機会がない。私はどうしてここにいるんだろう? と思っていました」

オープンマリッジの男性と出会い、婚外恋愛へ
2024年2月、たまたまオンラインの診断サービスで知り合った男性が「オープンマリッジ」という夫婦の形を取っていたのだとか。そこで「パートナーで補えない部分は、別の人間がカバーしてもいい」という考えに共感したという。
美月さんは、何をカバーして欲しかったのだろうか。
「元々男性経験がそんなになかった私は、自分の体を知らないことへいらだちを感じていました。それを夫で知ろうとしていたのに、セックスレスで……夫から放置された、と感じていました。
何をしたら自分の体が喜ぶのか、もっと知りたい。夫が無理なら、別の人間の力を借りるのはどうだろうか、と考えるようになりました」
そして、ヒールメイトを含む既婚者専用マッチングアプリに複数登録したそうだ。

既婚者専用マッチングアプリでの出会い。
初日は手が震えたけど……
マッチングアプリの条件は、県内で会える人、身長173cm以上、年上に設定したとのこと。写真をきちんと設定していて、AIやイラストではないかもチェックしていたという。
「実際に会うまで、3週間から1ヶ月かけてやり取りをしていました。朝にマッチングをして『今日会えますか?』と聞いて来る人は、絶対に無理。
その中で、2歳年上のジュンさん(37歳・仮名)と知り合いました。彼は性癖を奥さんに打ち明けられずに悩んでいて、私は自分の体を知らないから、性の開発相手としてちょうど良いと思ったんです。2024年の春に、初めてリアルで会うことになりました」
初めての婚外で「水を得た魚みたいに、満たされていった」

ジュンさんと初めて会う日、美月さんは手が震えるほど緊張したという。ラブホテルで会って、ご飯を食べながら話をして、行為に及んだところ……。
「『やっと水を飲めた!』と、まるで水を得た魚みたいに、体が満たされていくのを感じました。彼とは3回くらい会って、幸せな気持ちでいっぱいでした。でも、少しでも返事が来ないと『なんで連絡がないんだろう?』と不安になるようになってしまったんです。それで、関係を終えることにしました。
私って恋愛するとこうなるんだ! と、驚きましたね。じゃあ、他の人と恋愛してみるとどうなるどうなるんだろう? と思い、他の人と会うことにしました」
そこで知り合ったのが、性のサークルに加入していた、年下男性だったという。
ドキドキはしない「性の研究相手」
ユウトさん(30歳・仮名)は、数年前まで性のサークルに入っていたそうだ。『この日に集まります』と声をかけあい、場所を借りて、10人ほどで集まっていたようだ。
「男性は会費を払い、女性が避妊するための経費にしていたみたいです。そんなサークルに入っていたので、ユウトさんは性経験は豊富ですが、アブノーマルなものに興味があるわけではありませんでした。
『相手と深く分かち合えるセックスができたら良い』という考えで、私にも近かったです。彼には経営者の友人が多く、話をしていて楽しかったです。
婚外恋愛のようなドキドキ感は感じませんでしたが、性の研究相手として良いと思っていました。今でも月に1回くらい会っています」
他にも男性を探していくうちに、1人だけ恋心を感じる人に出会ったそうだ。

お兄ちゃんのような存在、他には「少し変わった出会い」も
「ヨシキさん(40歳)を見つけたきっかけは、ヒールメイトの掲示板でした。『こういう女性に会いたいです』と書いていて、プロフィールはすごく普通なのにそのギャップに驚いて、興味をもちました。彼とは会った回数も一番多くて、何でも話せるお兄ちゃんみたいな存在ですね。でも、あまりハマると『この人は私のもの』と、変なエゴが生まれてしまいそう。
だから、3回以上会っていて、これからも会う予定の男性は、ユウトさんとヨシキさん以外に4人いるんです。全員と体の関係があるわけではなくて、異性の友達のような関係も数人います」
他にも、少し変わった出会いもあったのだとか……。
「『女性には心も体も懐も潤ってほしい』とのことで、会うたびにオイルマッサージをして、2万円をくれる50代の男性もいました。男性に甘えられる自分になるために、試しに会ってみたんです。相手の愛情表現を受け取る練習をしようと思い、3回ほど会いましたが、一度もセックスはしませんでした。
あとは、ランチの後で急にホテルに誘ってきた、40代の男性もいました。『今、あなたに手を引かれている私は喜んでいるように見えますか? ……本当に、そう思います?』と冷静に聞いたら、我に返って謝罪してくれて、近くのベンチでコーヒーを飲みながら語り合いました」
婚外を楽しむコツは「何を大事にしたいか、決めてから会う」

理性を保ちながら婚外恋愛を楽しんでいる、美月さん。「自分が何を大事にしたいか、何のために婚外をするのか。決めてから会ってみないと、依存症になってしまう」と警告する。
「婚外には色んな形があります。『旦那が嫌いで、女として見てくれる男を探す』という女性もいれば、ただ女性を喜ばせたいと考えている、先程のような50代の男性もいます。
自分が大事にしたいもののために、どのカードを隠して、どのカードを見せるかは、人によりますよね。婚外相手と、どういう時間を過ごしたいのか? じっくり考えてみてから会うと、素朴に楽しめると思います。
私も、これからも様々な男性との出会いを通して、自分のことを深く知っていくつもりです」
--婚外恋愛を通じて、何を得たいのか。美月さんの理知的な問いは、恋に溺れがちな男女を立ち止まらせてくれる。
※出典:【ジェクス】ジャパン・セックスサーベイhttps://www.jfpa.or.jp/pdf/sexservey2020/JexSexSurvey_p12.pdf
(同調査では性風俗の利用も浮気・不倫に含めているため注意)
<取材・文/綾部まと>
![]() | ライター、作家。明治大学法学部を卒業後、三菱UFJ銀行の法人営業、経済メディア「NewsPicks」で有名なユーザベースを経て独立。主に経済や恋愛について執筆。フランス在住。 X:@yel_ranunculus Instagram:@ayabemato note:@happymother |
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