オープンマリッジのススメ?[後編]
≫オープンマリッジ実践者のリアル体験談
ヒールメイトマガジン編集部です。
セックスレスの末に「婚外恋愛許可制」を選んだ夫婦を描く、漫画原作のドラマ「1122(いいふうふ)」(主演:高畑充希&岡田将生、原作:渡辺ペコ)が6月14日(金)からPrime Videoで配信され、話題になっています。
新しい夫婦の形を模索するカップルが多いことの裏付けでしょう。
「1122」で描かれている「婚外恋愛許可制」の夫婦の形を、オープンマリッジと呼びます。
オープンマリッジは「性の解放運動」が盛んだった1970年代のアメリカで生まれた概念で、近年再び欧米の若者を中心に広がり、セックスレスが社会問題化する日本でも徐々に注目を集めているのです。
今回は、そのオープンマリッジに挑戦中の「オープンなアラフォー母さん」さんによるゲスト寄稿「オープンマリッジのススメ?」の後編をお届けします。
⇒前編の記事はこちら。
オープンマリッジを行う上でのルール、メリットとデメリット、子供への伝え方など、より具体的な部分を、体験ベース、本音ベースで解説いただいているので、オープンマリッジに興味がある方はぜひご覧ください。
揺れ動く心の内も書かれていて、ちょっと泣けますよ(もちろん笑いあり)。
オープンマリッジのルールは?
我が家のオープンマリッジのルールは
「詳細を知らせないこと」
だけです。
ゆるっ。
なので、相手がどこで誰と何をしているかをお互い知りません。
あとは前編で書いたように
お互い妻・夫としての役割を怠らない事と、
デートより子供と家庭を優先する事。
まあ、当たり前ですよね。
1年間は気を遣って外出だけにしていましたが、
彼氏ができてから勇気を出して外泊も可能か聞いてみたらOKになり、
ごくごくたまにしています。
最初の頃は、元夫は内心不満なのではないか、と心配して、
「大丈夫?」
「何か不満は無い?」
「改善したほうが良い部分はある?」
などと、ちょいちょい定期契約見直しミーティングを持ちかけていましたが、
特に不満ないようだったので、2年経った今はしていません。
私たちはこんな感じですが、巷では
- キスは無し
- 肉体関係は無し
- 同じ相手と二度としない
- 避妊・性病予防、検査を徹底
- デートはお小遣いの範囲で(バナナは入ります)
などと、夫婦によって様々なルールを設けているようですね。
まあ、何が正解、ではなく、自分達が心地の良い関係を続けられるルールを
話し合って作り上げることが大事なのかな、と思います。
オープンマリッジのメリットは?
オープンマリッジにしてから、元夫との「夫婦関係」が良くなりました。
まず、お互いのニーズが合わない部分を無理しなくなったので、ケンカが減りました。
加えて、お互い前よりも相手に気を遣うようになりました。
オープンマリッジは「家庭が優先」という前提ではあるものの、
恋愛市場に復帰する以上、配偶者が他の人を選んでしまうリスクはあります。
なので、配偶者にとって新鮮で楽しい部分だけ味わえるオープン相手よりも、
ぬかみそ臭いこちらの方が優先してもらえるだけの価値があると示し続けなければいけません。
ただ、シングルの時と違って、相手にがっぷり四つで向き合わなくても良いという、
いやらしいメリットもあります。
(もちろんいやらしいメリットは他にもありますが)
最悪もう一人いるからいっかー、と少しの問題には目をつむってゴキゲンを保ちやすい。
こちらがゴキゲンだから相手もゴキゲン、ゴキゲンサイクルが回せます。
それが本当の愛かどうか、は置いといて。
でも、こうなって改めて、いかに「夫婦である」という関係に甘えていたのか実感し、自分を磨き直す良い機会にもなりました。
いやいや、それならその精神で夫婦関係やり直せばよいのでは?
ですよね(笑)
まあ、そう簡単にやり直せるならオープンマリッジなんかしてない訳でして…
またあの苦しみを繰り返すの?と思うと、
多少気を遣って疲れてもオープンマリッジの方が楽かも、と自分を甘やかしてます。
オープンマリッジのデメリットは?
ズバリ、感情のコントロールが難しい事。
家庭ある人との恋愛は常に嫉妬と背中合わせ。
だって必ず「自分よりも優先される配偶者」がいるのです。
そして、こちらにもお相手より優先しなければならない人(=配偶者)がいるため、
当然、ある程度感情をコントロールすることが必要になるのです。
なので、ほどほどの恋愛を上手に楽しめる人、ならば向いているかもしれません。
一方、
他に選択肢がなくて仕方なく始める人、
恋愛に沼りがちな人にとっては、
さらなる苦しみの扉を開けることになるかもしれません。
私もずっと、
ひとりの男性に恋愛も家族も全て求める一夫一婦制を最良として生きてきたので、
まだ常に、
「理性的に今の家族を維持したい気持ち」と
「感情的に好きな人と恋人以上を求めたい気持ち」の間で揺れています。
彼氏といつも一緒に居られる奥さんに嫉妬を感じたり、
未来の無い関係になんの意味があるのかとダークサイドに落ちそうになる事も。
でもこれから、
子供の成長、転職転居、本人・配偶者の加齢・病気・死別、などなど、
避けられない何かが、どちらかに起こったら、
関係が変わることはあるかもしれない。
良い方向にも、悪い方向にも。
だから、
とりあえず今は
幸せな家庭をキープできている上に、
子育て用と恋愛用、二人もパートナーがいるなんて、わーい、ラッキ〜!
と考えるようにしています。
ポジティブ!
子供の反応は?
まあ、うちは法的には籍が入ってないので参考にならないかもしれませんが。
子供は結婚という概念を理解し始めたばかりの年齢なので、まだ特に何も伝えていません。
聞かれたらそのままを言おうと思っています。
パパとママは家族としてお互いがとても好きだけれど、
恋愛として好きとは違う事
恋愛の相手は他にいる事
でも貴方のパパとママである事
家族を続けることに変わりはない事
一番大切なのは貴方だという事──。
子供の心を大切にしながら
どうやって伝えるかって難しい。
お子さんがすでに結婚や不倫という概念をきちんと理解している年齢ならなおさら。
この場合は「隠す」ということも必要かもしれません。
つい最近「パパとママは結婚してるじゃん」的な事を言われたので、
「結婚してないよ」と言ったら
「パパとママなのに?」と驚いていました。
「結婚してなくてもパパとママにはなれるんだよ」と言ったら、
「ふーん」で終わりました。
まあ猫も杓子も多様性の時代ですし、
結婚してなかったり、親が1人だったり、パパが2人だったり、
色んな形の家族の形があるのだ、という事をテレビや本で刷り込んでいる所です。
大切なのは結婚という形を守る事ではなく、お互いがより幸せに感じる形を作る事だと、
貴方にもそう生きて欲しいと、
伝えて行けたら良いなと思っています。
がんばります。
オープンマリッジってマッチングアプリでどうよ?
オープンマリッジを理解し、夫婦の間でやると決めたなら、マッチングアプリの出番です!
既婚者用なら、なお良いですよね!(と、一応宣伝してみる)
私の場合は前述の通り、オープンマリッジである事を明かした上で、
約1年間マッチングアプリを通して14人もの方とデートできました。
これはアラフォーの母ちゃんにとっては予想外の多さでした。
その中で自分もオープンマリッジだと言われた方は5人、
デートに至らなかったけれどマッチした人の中にも何人かいました。
一般的なアプリでこの数なので、
既婚者専用サービスならもっと見つかるのではないかと思います。
大手を振って恋愛したい──開け新たな扉
ただ、プロフィールにオープンマリッジと書いてる人は少なかったです。
全部バカ正直に書いててすごいね、とよく言われました(笑)
やっぱり一般的なアプリだとオープンマリッジを隠した方が良いのかもしれません。
けれど、個人的には、
相手が求めてるのが不倫じゃなくてオープンマリッジである事が分かったほうが、
お互い無駄な時間を過ごさなくて良いのになぁ
と思います。
それなりに夫婦間で議論してオープンマリッジまでこぎつけたわけなので、
大手を振るって恋愛したいですよね。
まあ一般的に男性はよりマッチングが厳しいという話もよく聞くので、
あくまで女性サイドの意見です。
とはいえ私も、
やはりアプリで相手を探すのって怖かったし、恥ずかしかったし、
何度もやめようと思いました。
もちろん中には少し変な人もいたし、
いきなり音信不通になったりする「マッチングアプリあるある」もありました。
でも、
デートした方達は皆さん、それぞれの人生を悩みながら精一杯生きている素敵な方達で、
色んな意味で刺激(むふ♡)を貰いました。
そして何より、
満たされない夫婦関係に囚われていた頃よりも
より強く、自由になり、自信を取り戻す事ができました。
自分の中の新しい扉が開けました。
勇気を出して挑戦して良かった。
オープンマリッジでもマッチングアプリの出逢いはある!
と思っています。
(効果には個人差があります)
今の自分への自分なりの最適解──終章は不明
私のオープンマリッジの形が
これからどう変わっていくかは私にも分かりません。
最後に泣くかもしれません。
笑ってるかもしれません。
これは正解、じゃなく、
間違いばかりの私が苦しみながらひねり出した今の最適解です。
結婚か離婚かのゼロヒャクじゃなくて、
複数の柱を建てるバランスの時代のリスク分散関係の一つだと考えています。
少し前まで普通じゃなかった副業があたりまえになったように、
オープンマリッジも副恋としてあたりまえになったら良いのにな。
私達の選択肢が、もっと多くなったら良いのに、と願ってなりません。
そしてどうか、私達を含め、一組でも多くの夫婦が、
自分達が心地良い形で生きていけますように。
さあ皆で、
開け、股!
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